Nスペ「日本とアメリカ第3回 日本野球は“宝の山”」、「さらば!「豊かな国日本」」

松坂 イチロー 倖田來未


いやー、面白い。NHKスペシャル「日本とアメリカ 第3回 日本野球は“宝の山”〜大リーグ経営革命の秘密〜」。このオフシーズン、日本のプロ野球選手がどんどんメジャー球団へすごい年俸で移籍していますが、その理由が分かりました。

たとえばレッドソックスは選手のスカウトを「投資」と考えて、金融の専門家を雇っている。要するに、岡島のように化ける選手をいかに安値で仕入れるかということ。そのために、従来の打者の打率、投手の防御率ではない指標(打者:(塁打数−安打数+死球+四球)÷打席数・・・つまりヒットでもデッドボールでもフォアボールでもとにかく塁に出る打者を評価、投手:三振÷四球・・・つまり三振を多くとれてフォアボールの少ない投手を評価)を採用して選手を見極めてスカウトしてるらしい。うーん、面白い

野球選手のスカウトを金融(工学)のプロにまかせる発想は、日本人からは出てこないだろうなあ。なぜなら、どうしても日本人のメンタリティとして、「金儲けをすることへの罪悪感」が根強くあるから。ホリエモンとか村上ファンドが必要以上に叩かれたのも、そういう日本人ぽさをよく表してると思います。

「お金というのは、汗水たらして稼ぐもの。その結果がお金。ラクして儲けるなんてろくな奴じゃない。」といういつものアレです。

その話とちょうどリンクするのですが、仕事の合間に読んだ記事で最近いちばん気になった「さらば!「豊かな国日本」」。このデータを信じるとしたら、今の日本の経済力って相当ヤバイところまで来てたんですね。ユーロ高があるにしても、日本の1人当たりGDPOECD加盟30カ国中18位って、ちょっと信じがたいですよね。

振り返れば、1980年代の日本には最先端の産業が集積していた。それが日本の豊かさの源泉であったと考えることができる。日本が豊かさを維持するためには、産業構造をさらに高度化し、最先端のポジションを維持する必要があった。1980年代における最先端産業はエレクトロニクスビジネスであった。そして1990年代以降は、金融やITビジネスが最先端産業となった。ところが日本はこの流れについていけなかった。日本の金融・IT産業は、欧米の先進企業に太刀打ちできなかったのである。

日本の金融工学がボロボロなのは、「汗水たらして作ったモノを売って儲けることはいいことだけど、お金を使って金儲けをするなんて言語道断!ケシカラン!」という例の日本人のメンタリティのせいなのでは。

デイトレだけで生活してる人が増えてきたり、主婦がFXやったり、昔とくらべたら少しはお金に関する価値観は変わってきてるとはいえ、まだまだ堂々と「ラクして金儲けして何が悪い」「お金で金儲けするのは虚業じゃない」と言えない空気が漂ってます。頑張れニッポン。