『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(映画版)
本谷有希子さんの原作も読んでいた『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の映画版を見てきました。1階からスクリーンを見上げるか、2階から見下ろすか、スクリーンの位置が悪い渋谷のシネマライズは、今回はお客が少なかったせいで好きな席で見れたからめずらしく見辛くなかった。
映画が始まる前、シネマライズの前でやってたスポーツドリンクの無料サンプル頒布でグルグル回って乞食のようにスポドリを何本も取ってた奴を見かけた人がいたとしたら、それは私です。
一般の評価はかなり低めですが、原作が「なんちゃって」とは言えブンガクなので、映画もちゃんとブンガクっぽくてよかったです。「さすが永作博美!澄伽役がサトエリじゃなければ・・・」という多数の意見に賛成ですが、それを差し引いても最近見た映画の中では結構よかったです。
なにがよかったのか。たぶん、ちゃんと個人の中の葛藤、人と人の葛藤、生きることの逃げ場のなさ、みたいなのが描かれていたような気がする部分。葛藤とか生きてることのどうしようもなさとかって、ドラマ(ツルギー)の基本の基本だと思うのですが、そういうのが欠落してるドラマとか映画とかが多くて、(この映画がという意味ではないですが)演出とか演技のレベルが低い映画・ドラマでも、そういうドラマツルギーを持ってるだけで、ドラマの構造として気に入ってしまうときがあります。
本谷作品で一番まとまってると思う
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ | |
本谷 有希子 講談社 2005-07 売り上げランキング : 54159 おすすめ平均 まだよくわからない… この作品は… すみません、レビュータイトルは付けられません Amazonで詳しく見る by G-Tools |
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ (講談社文庫 も 48-1) | |
本谷 有希子 講談社 2007-05-15 売り上げランキング : 3829 おすすめ平均 要注意です。 強烈な姉、酷な妹☆ 舞台演劇のようなテンションの高さ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
腑抜け・・・の次にいい。でも乙一っぽいからイマイチ。
江利子と絶対―本谷有希子文学大全集 | |
本谷 有希子 講談社 2003-10 売り上げランキング : 25955 おすすめ平均 衝撃の処女作 こんなのありなのか… 自己内波乱万丈 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本谷さんの文体は文学しようとして
文学できてない、まるでジミー・ペイジの
ブルースを聞くときのような独特の違和感。
生きてるだけで、愛 | |
本谷 有希子 新潮社 2006-07-28 売り上げランキング : 26946 おすすめ平均 主人公の気分がユニークに表現され、マシンガンの如く連射される事の面白さ。 本当に下らなくて、志の高い小説 ううむ…腹一杯 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
単純な2部構成なところがイマイチ。
浅野いにおさんの「ソラニン」の2部構成と比べたら
かなり落ちる。
ぜつぼう | |
本谷 有希子 講談社 2006-04-28 売り上げランキング : 27871 おすすめ平均 読み進めさせる力 読後感がいい。のかな? サクッと読めてドロッと残る Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これだけ未読。
遭難、 | |
本谷 有希子 講談社 2007-05-16 売り上げランキング : 25177 おすすめ平均 トラウマ騙り Amazonで詳しく見る by G-Tools |