JAAAクリエイティブ研究会 07クリエイター・オブ・ザ・イヤー賞受賞者が語る私の広告作法

副都心線 西成区 暴動


JAAAのセミナーに行って来ました。講演は、アサツー朝生謙二さん、オグルビーの松尾卓哉さん、博報堂横澤宏一郎さん、電通佐藤義浩さん。


朝生さんは大塚のSOYJOYを主なケーススタディとしてその発想法、松尾さんは日本と海外のクリエイティブの橋渡しをしたいという話、横澤さんは「日常」をキーワードにした発想法、佐藤さんは知ってるものと知ってるものを掛け合わせると新しいものになるという話。


どの方の話もためになりましたが、松尾さんの話が過激だった。「自分がいま常識としてやっていることが本当に必要なことなのか、なんのためにそれをやっているのか、もう一度考え直してみてほしい。たとえば編集スタジオにクライアントを招いてのオフライン試写などは日本だけの悪しき習慣で、クライアントのご機嫌をとるためだけのサービスであって、いいものをつくろうと思えばオフライン試写など必要ない。手間はかかるけど、クライアントに持って行って見てもらって、問題のある部分を言ってもらって、持って帰って直すのが普通。編集室でクライアントに修正指示されてその場で急いで直してOKもらうような時間優先の手順はおかしい」のような。


あるいは「海外のCD(クリエイティブディレクター)の年収は当然のように億単位で、たとえば広告賞の審査員になるとどんな場合でもホテルは最高級のスイートルーム。賞の主催者にどうしてこんな扱いをしてくれるの?と訪ねたら、それは君に審査員としてベストなパフォーマンスをしてもらいたいから当然のことだと言われた。でも日本で億をもらっているCDはほとんどいないし、審査員をやってもビジネスホテル。お金がすべてではないのは当然だけど、とにかく日本のクリエイターのステータスをもっと上げないと、優秀な若者が広告業界に入ってきてくれない。そうなると日本の広告はいま以上にダメになる。自分も日本の広告業界のためになんとか力になりたい」のような。近くの席の人が「松尾さんは、あいかわらずいつもの大風呂敷だなあ」と言っていだけど。