映画『リトル・ミス・サンシャイン』
『リトル・ミス・サンシャイン』見ました。
仕事がうまくいかない父、口をきかない変な兄、イカれた祖父、ゲイの伯父、それをまとめようとする母、という「アメリカの壊れた家族」を描く導入部分で、『アメリカン・ビューティ』を連想させて期待したけど、そのレベルまではぜんぜん行かなかった。評価は高いみたいだけど、5点満点で2点くらい。
部分部分はいい所もあったけど何かが足りなかった。それぞれのキャラの設定はなかなかよかった。バスが壊れていちいちみんなで「押しがけ」しないと走れないのが「家族で協力」のメタファーとしていいアイデアだった。高速道路がうねうねしたインターチェンジのカメラアングルとか、兄が自分の病気を知ってクルマを飛び出して土手に下りて行ったときの「手前に兄、土手の上、ずっと向こう側に小さくバスとみんな」の遠近法とかそのときの空の青さとか、美少女コンテストの醜悪さとか、よかった。
時間的にストーリーのど真ん中で決定的なことが起きるいつものハリウッド方程式はこの映画ではお爺さんの事件だった。でも何かが足りない。決着のついてないことが残りすぎたのもあるし、ど真ん中の決定的なお爺さんの事件が、その場のドタバタだけで処理されてその後のストーリーに与えた影響が少なかったせいか。
主役の女の子が腹が出すぎだろうと思っていたら、あれは(他のガリガリの人造美少女との対比を強調するために)ボディスーツを着てたらしい。