乾くるみ『イニシエーション・ラブ』を読まずにトリック予想

小池百合子 麻生太郎 石原伸晃


一週間にだいたい4日か5日、本屋に行きますが、文庫コーナーに行くたびに気になってる乾くるみさんの『イニシエーション・ラブ』。


いわゆる「ブンガク」としては確実にB級(あるいはC級)というのは読まずとも分かってるのですが、衝撃の結末とか2度読みたくなるとか売れてるなどと店頭POPに書いてあるとどうしても気になってしまう。


とはいえ、最後のドンデンのためだけに読むのは時間がもったいないし、かといって『イニシエーション・ラブ』読解サイトをいきなり読んで結末を知るのも、なんだか面白くないと思ったのだった。なので、『イニシエーション・ラブ』を読まずに、その衝撃のラストとやらを予想してみようかと(それのほうが、よっぽど時間がもったいないという話もありますが)。


まず前提として、文庫の表4などに書いてるあらすじ他で得た、自分がこの小説について知っていることのすべてを書いておきます。


「主人公は男。合コンに行ったとき知り合った女の子と恋に落ちるラブストーリー。最後の2行でドンデンがあって、必ず2度読みたくなる。前半と後半の(?)2部構成。」


これ以上のことは微塵も知りません。これだけをヒントに勝手に考えます。普段はミステリーぜんぜん読まないし、手がかりなさすぎなので、とりあえず「あらすじ.com」に載ってる「どんでん返しの原型10タイプ」を参考にしよう。(ちなみに、昔読んだ森絵都さんの『カラフル』は最初の5ページだか10ページだか読んだ時点で仕掛けは分かりました。それ以外にもすぐわかった本はあったけど、そんなに多くない。)

(1)敵の正体はこいつだ、と思っていたら、実は、同じような立場のあいつだった!

(2)敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(3)敵は「主人公が生み出した恐怖」だと思っていたら「主人公の外部に存在する恐怖」だった。

(4)敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だと思っていたら「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(5)敵は「主人公が生み出した恐怖」だと思っていたら「主人公の内部に巣食う恐怖」だった。

(6)敵は「主人公の外部に存在する恐怖」だと思っていたら「主人公が生み出した恐怖」だった。

(7)敵は「主人公の内部に巣食う恐怖」だと思っていたら「主人公が生み出した恐怖」だった。

(8)敵は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

(9)目的は死んだと思っていたら、実は死んでいなかった!

(10)目的はどこか遠くにあると思っていたら実は主人公のそば(内側)にあった!


うーむ。参考にしようと思ったけど、あんまり参考にならないか。


「前半と後半の(?)2部構成」というのが、結構大きな手がかりのような気がする。違うかな。2部構成にしたときに、2度読みたくなる必然性があればいいわけだ。


ストーリー上、もし相手の女の子が死ぬのだとしたら、そういうことが店頭POPなどに書かれるはずで、でも実際は書かれてないから、女の子が死ぬという(8)(9)では、なさそうだ。


前半は男の視点で書かれていて、後半も男の視点だと思ってたら実は相手の女の視点から書かれていたとか?でもそれって何が面白いのか不明だから、ないな。


男は合コンで偶然に出会ったと思っているけど、実はそれは女の子が仕掛けた必然だった?だからなんなの。違うな。


(8)(9)ではなさそうと書いたけど、その逆で、相手の女の子は生きてると思っていたら実は最初から(あるいは途中で)死んでいた?つまり彼女の幻影と戯れていたのか、もともと存在しなかったとか?この場合は主人公の妄想ってことで(6)のことか。でもたぶん小説の中で2人で会話してそうだし、人間と幽霊の会話を読者に破綻なく書くのは難しいか。。。


2度読みたくなる、か。。。あるいは、女の子だけじゃなく2人ともすでに死んでるとか?前半は現実世界の話で、後半は2人が交通事後などに遭って死んでしまってて実は幽霊として存在してる(ほら、だからあのとき回りの人間は2人に気づかなかったのか!!とか?)


スト2行でドンデン可能なことって。。。なんだろう。(1)で考えると、相手の女の子は実は双子だったとか?いやー、さすがにそんな陳腐なトリックはありえない。前半が双子A子、後半が双子B子?


素直に考えると、作家は題名にテーマを込めるもの。『イニシエーション・ラブ』とは、、、社会や何かの集団の一員になるための通過儀礼の愛。これも1つの愛に過ぎないってこと?あるいは、避けて通れない愛。避けて通れないってのを「運命」とか「定め」と拡大解釈して、、、近親相姦?


すいません、C級の想像力で。もっとミステリー読んでみようかなあ。また思いついたら追記してみます。




(追記)
・初めて出会ったと思ったら実は以前にも付き合っていたことがあって、記憶がなくなってるだけだった?って、これはあの映画のまんまだから違いますよね、そりゃ。


・「(8)(9)ではなさそうと書いたけど、その逆で、相手の女の子は生きてると思っていたら実は最初から(あるいは途中で)死んでいた?」すいません、いま読み直して気づきました。これは、あの大ヒットハリウッド映画そのままでした。






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